センサーを用いた環境計測の精度:CO2

だんだんと暑い日が目立つ季節になってきました。
多くのハウスでの栽培は一旦終わり、土壌の太陽熱消毒などで次作に向けた準備に入って行く感じです。
最近、土耕でイチゴを栽培されている方が、太陽熱消毒中の土中温度を計測したいとのお話で、ログBOXを暑いハウス内に残置しても大丈夫かなという問合せを頂きました。
今のタイプは実績はあるのですが、その方がご利用のログBOXは、自分たちでも懐かしい初代のBOXで50度とかになりそうなハウス内での実績はありません。なので、BOXだけ外に出してセンサーだけをハウス内土壌に埋める形でお手伝いしてきました。

計測の連続性について

そのお手伝いの際に、
 「CO2センサーの校正って自動でできないのかな。。」
と言われました。
ログBOXで利用しているCO2センサーは、定期的に大気上で400ppm校正を実施することで、計測値のドリフトを抑制することが要求されています。センサー単体の計測精度は、±30ppm に加えて計測幅に対して±3% の誤差があるということなのですが、継続的に利用する中で経年変化で少しずつ計測値が高くなる傾向があるためです。
現在ログBOXのCO2校正は、ログBOX本体を外気にさらした状態にして、CO2校正ボタンを押すというものなので、一旦電源を抜いて外にだし、外でまた電源に繋いで・・・という流れとなってしまいます。
ここで、ログBOXを外に出すという時点で、同時に計測している温度や湿度も外気上のものになり、全ての計測値に分断点が発生します。
そして、その分断されたデータにマーク付けできている訳ではないので、データを利用する段で問題となります。
CO2センサーの精度を維持するには必要な校正作業なので、現状は仕方ないとしています。。

解決策としては

じゃぁ、どうすれば校正という面倒な作業から解放できるか。。。
分断点をなくせるか。。。

思いつくものを列挙すると、

  1. 分断点をマーキングして利用時に校正中データを除去する
  2. 分断が起きないようにCO2センサーをハウス内に置いたまま校正する
  3. 校正不要なCO2センサーを利用する
  4. CO2センサーだけを外せる形にする

ということを検討する必要が出てきます。

できるのかな。。

実際の所、(2)の手段を採用しているメーカーは実在していて、上記生産者の方にも教えて頂きました。
一言でいうと、外気を何時でも取り込める仕組みを持っておくというものです。
外気を持ってこれる仕組みと、ハウス内空気から外気に切り換える仕組みを持つ必要があります。
今のログBOXの物理的構造上、この手段は難しいので一旦先に送ります。m(_ _)m
今のログBOXの現状としては、(1)の手段が自己解決できますが、生産者の方に面倒な校正作業をお願いすることは避けられません。
(3)の手段をサポートするセンサーは市場に出てきています。
まだ、コスト的に合わないのですが。。試していく価値はあります。
(4)の手段は、CO2センサーだけログBOX本体と切り離しておく形にできれば、可能かなと

次の新型BOXで

どれを採用するかは置いて、、
次期新型BOXでは、改善に向けた対応を実現したいですね。。