収量と品質の向上を実現する、環境モニタリングの3つのステップ

 

環境モニタリング機器が、生産者の方にメリットを生むということはつまりどういうことでしょうか?

あぐりログは、「環境を見える化することで、生産者の方により栽培に集中して頂く事ができるようになる」と謳い、展開しています。しかしこのように一口に「環境モニタリングによってあなたの農業が良くなります!」といっても、正直初見・初耳の方にはスグにはピンとこないことと思います。

モニタリング機器は植物体に直接作用を加える類のものではありませんし、圃場の環境に直接作用するものでもありません。それなのに、導入することによって栽培に好影響が生まれる。それは一体どういうことなのか?今回は環境モニタリング機器がどのようなステップを踏んで、栽培に好影響を与えるのか、3つのステップに分類して考えてみました。

これから環境モニタリング機器を導入しようか迷っている方、環境モニタリングってそもそも何?と疑問に感じている方に参考になる記事になります。

 

 

1.環境を見える化する

いざ環境モニタリング機器を導入してまず始まるのが、「環境の見える化」です。

圃場の温度や湿度といった「環境」は季節や天気によって刻一刻と変化していきますが、計測値やその変化は人間の目で捉えることができません。また圃場の空間の空気は五感で感じ取ることができても、その二酸化炭素濃度や降り注いでいる日射量というのは、同じく目で捉えることができません。

これらの、今までは目で捉えることができず、感覚値や経験値でしか読み取ることができなかった「環境」を、目で捉えられる形にして利用者に伝えるのがあぐりログのような環境モニタリング機器です。「見える化する」というと「なんだ、ただ見れるようになるだけか」と思われるかもしれませんが、重要なポイントは「誰が見ても分かる形になる」ということです。

感覚値や経験値は、実測値が同じでも人によって異なることがあります。例えば同じ気温20度でも、暑がりの人は「暑い」と感じますし、寒がりの人は「寒い」と感じたりする。そういったような栽培の現場で残されていた明文化されていない所謂「曖昧さ」のようなものを解決するのが、モニタリング機器による「環境の見える化」です。

今まで人間には捉えることのできなかった「環境データ」を、誰が見ても目で見て分かる形=客観的データとして提供する。利用者はそれを見て圃場の状況・状態に「気づく」。これが最初のステップになるかと思います。

 

 

2.データを分析し、仮説を立てる

「気づき」の次なるステップとして、その気づきを深める作業が発生してきます。「なぜ、どうして、こうなるのか?」「昨日と何が違うのか?」「一年前と何が違うのか?」「他のハウスと何が異なるのか?」といったように、気づきから生まれた疑問点に対して仮説を立てます。通常この「仮説」は圃場や圃場の作物の状態をくまなく観察し、記録していないと立てることが難しいものです。

しかし環境モニタリング機器が自分の代わりに日々圃場のデータを記録&蓄積し、また他の圃場との比較を行ってくれる(※)ことで、この仮説を従来より容易に立てることができます。もちろん、モニタリングよって導き出した「もしかして、1日の温度の流れが1年前と違うからではないだろうか」「二酸化炭素濃度が昨日より低くないだろうか」といった仮説は実測値に基づくものなので、従来の経験則や感覚で導き出したものよりも「精密」なのではないかと考えられます。

さらに、栽培が上手くいっている圃場と比較することによって、この「仮説」はより精密なものになります。今までより楽に、そして簡単に限りなく答えに近い仮説を立てることができる。それが2番目のステップになります。

※あぐりログで過去の計測データはいつでも閲覧可能です。またユーザー同士をフォローし合うことで他の圃場とのデータの比較も行うことができます。

 

 

3.仮説を検証する

仮説を立てた後は「仮説の検証」が最後のステップとなります。前述の「限りなく答えに近い仮説」はすぐに栽培作業に活かすことができます。例えば自分の圃場の環境を確認後、過去のデータや栽培が上手くいっている圃場の環境データを参考にして、窓の開閉を行ったり、二酸化炭素発生器のON/OFFを切り替えたりします。

このような環境を制御する作業において、経験値や感覚値から導き出した仮説ではなく、実測値に基づいた仮説を用いて判断を下せるということが、環境モニタリングがもたらす大きなメリットといえます。上手くいけばその環境を翌年・次回も維持するのはもちろん、上手くいかない部分があれば過去や他圃場といった多くのデータと現在の比較…と、PDCAサイクルの回転が早まる上に、打つ策の精度が向上します。

この正確な策を打っていって栽培を成功に導く部分が一番難しい所ではあるのですが、やはり「曖昧な部分を明文化している」「過去データや他圃場データと自分の現在を比較できる」というこの2点で環境モニタリングは栽培の成功=収量と品質の向上の可能性を大きく高めるものと言えると考えています。そしてその「栽培を成功に導くための作業」そのものを効率化するという点で、あぐりログのような農業IoTは収量を増やしてなおかつ収穫物あたりのコストを下げる、つまり栽培の成功に大きく貢献できるものではないでしょうか。

 

 

4.まとめ

少し長めの記事になってしまいましたが、環境モニタリングが何故栽培に好影響を与えるのか?を少しでも理解していただけたら幸いです。あぐりログ(温室向け環境モニタリングサービス)が栽培作業に与える好影響のようなものはここで書いた以外のものもあります。詳しくは http://itkobo-z.jp/agrilog をご覧になってみて下さい。