土壌水分の測定法とセンサーについての調査

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こんにちは、mi2yo4です。
今日は展示会の前後から要望が上がっていた、土壌水分(とEC計測)についてのお話です。

土壌水分を計測したいけど、どういったセンサーがあるの?
巷のセンサーがどれぐらいあるの…?

という事を調べてみました。

土壌水分測定法について

まずは、測定の基礎!

土壌水分を測定する方法についてかる〜く調べてみました。

なぜか私の手元にある「新訂 農業気象の測器と測定法(農業技術協会)」によりますと、土壌水分の測定は以下の通りとなっていました。

  • 炉乾燥法
  • 実容積測定器法
  • メスシリンダー法
  • 電気伝導法
  • テンシオメーター法
  • 熱伝導法
  • 中性子錯乱法

ソースが一つだけでは物足りないのでgoogle検索してみましたところ、鳥取大学乾燥地研究センターの井上先生のページにまとめた資料がありましたのでリンクしておきます。
(リンク先によると2014/3にて退任されたのこと。リンク先は保存しておいてもらえるのでしょうか…)

  • 定容積採土法
    • 炉乾燥法
    • 電子レンジ法
    • 真空凍結乾燥法
  • 中性子散乱法
  • ガンマ線密度計
  • 電気抵抗法
    • 2極法
    • 4極法
  • 静電容量法
  • 誘電率法
    • TDR(Time Domain Reflectometry)法:時間領域反射率測定法
    • FDR(Frequency Domain Reflectometry)法:振幅領域反射率測定法
    • ADR(Amplitude Domain Reflectometry)法:振幅領域反射率測定法
  • 熱伝導式土壌水分計
  • 多孔質セラミック水分計
  • 地中レーダ法

どうやらコチラの方が書籍「農業気象の測器と測定法」のものよりも網羅されていそうです。

また、書籍では7つの測定法が列挙されていますが、詳しく説明しているのは炉乾燥法とテンシオメーター法のみなので、やっぱり井上先生のページを参考にした方が良さそうですね。

上記では様々な計測方法が挙げられていますが、自動的に水分を計測するシステムとして相性がいいのは電気抵抗法のセンサーか誘電率法のセンサーかな?と思います。

捕捉
TDRの改良系?としてTDT(Time Domain Transmissometry:時間領域透過法)方式というものもあるらしいです。

各社の水分センサー

さて、いよいよ土壌水分、ECセンサーについてインターネット上を彷徨いつつ探します。

土壌水分を計測できる各社のセンサーを列挙しておきます。
(何か情報があれば随時追加という事で)

A・R・P WD-3

Facebook上のあぐりログページでも書いたんですが、A・R・P社製のWD-3が土壌水分、EC、土壌温度が計測できます。調べてみるとTDR方式の改良版、との事です。

ロックウール等の培地でも計測OKとのこと。信号はアナログ出力なので扱いやすそうですが、ケーブル長が長くなった場合のノイズの影響が気になるところです。

DECAGON EC-5, 10HS

DECAGON社製のセンサーで土壌水分を計測するセンサーのようです。
宮城県の農業・園芸総合研究所でEC-5を用いたバラのロックウール養液栽培の事例と、トマトの養液土耕栽培の事例について記述がありました。

DECAGON 5TE

土壌水分、EC、土壌温度を計測するセンサーです。

DECAGON 5TM

土壌水分・温度を計測するセンサー です。

DECAGON GS3

5TEと同じく土壌水分、EC、土壌温度を計測するセンサーです。栽培用土(園芸培土)の測定に適していると書かれているので、場合によってはこちらの方がいいかもしれませんね。

以上、ここから情報を拾って来ました。大体の値段もここでわかりますね。
DECAGON社のセンサーはTTLもしくはSDI-12という通信方式とのこと。あぐりログBOXと通信できるか調査が必要ですね。

Delta-T ML3

ハイエンドの土壌水分センサーとのこと。Delta-T社のセンサーはADR法を使用しているので、短いプローブ長でも安定した計測ができるとのことですが…おそらく値段が凄そうです。

Delta-T SM300, SM150

土壌水分センサー。ML3よりも精度が落ちます。

Delta-T WET-2

土壌水分、EC、土壌温度センサー。メーカーHPによるとヤシガラ、ピートモス培地にも対応できると書いてあります。

Delta-T社製のセンサーはここのページの情報を元にしています。それによると、全てADR方式のセンサーだという事が判ります。
→また、別の場所でPDFを見つけましたが、結構な値段ですね…

WaterScout SMEC 300

SMEC300は土壌水分、EC、温度が計測できるマルチセンサーです。
今のところロックウール、ヤシガラ、ピートモスなどの培地に対応できるかどうかはまだ調べてません。
2014/10現在、4万円を切る値段は魅力的ですね…

Watermark 6450WD

電気抵抗式の水分センサーです。茨城県農業総合センター農業研究所でこのセンサーを使用した研究結果がありましたので、導入するさいには参考になりそうです。

Acclima ACC-SEN-SDI

TDT形式のセンサー。メーカーのページはこちらです。SDI-12という通信プロトコルでデータ採取をします。
日本ではクリマテックで購入出来るようです。
土壌物理学会の「デジタルTDTセンサーを用いた不飽和土壌の電気伝導度計測」というレポートで使用されていました。

TRIME PICO32, PICO64

TDR形式のセンサー。土壌水分、EC、温度が測定できます。
クリマテックで取り扱ってますが、値段は高いですね…

STEVENS Hydra Probe

メーカーサイトはこちら
通信方式によってHydra Probe Analog, Hydra ProbeII SDI-12, Hydra ProbeII RS485を選択出来るようです。

まとめ

土壌水分センサーについては調べて見るほど奥が深いですね。国産のセンサーはまだ一社しか見つけていないので、引き続き調査していきたいと思います。

また、高性能なセンサーはとても値段が高い!
個人であれば購入を躊躇いますね。これは。

いきなり高性能センサーを導入しようと思っても宝の持ち腐れになりそうなので、安くてそこそこの性能のものが欲しいです。国産メーカーには頑張って頂きたいです。

追記

現在、農業向け環境計測システムの「あぐりログ」ではオプションセンサーとしてA・R・P社のWD-3に対応するようになりました。

あぐりログについての詳細は「あぐりログは温室のモニタリングサービスです」をご覧下さい。