排液量センサーの共同研究について

色々なつながりの中で仕事ができています。

あぐりログを利用頂いている生産者の方々はもちろんのこと、生産者さんを支えている普及員の方々、試験場の方々、JAの方々と多くのつながりの中で仕事させてもらっています。

一昨年の10月に幕張メッセで開催されたAGRINEXT2014に出展した際、私たちのブースを訪れてくれた人たちの中に大分県産業科学技術センターの研究員の方が見えました。
ブースの中でも話が膨らみ、昨年のものづくり補助金の申請時には、申請書の作成で多大なる支援を頂くことになるという形でつながりを持つ事になりました。(補助金採択に至ったのは、この方のご支援なしには難しかったと思います。)
その補助金で申請した事業内に、「排液量センサーをあぐりログに接続」という項目を設けて、具体的に共同研究を行うという事になった次第です。補助金は見事に採択され、交付決定時には内容は縮小しましたが、排液量センサーについては実施する形となりました。
(平成27年度に研究テーマ名「農業用ハウス環境モニタリングサービス「あぐりログ」向け排液量センサの試作開発」で取り組みました。)

排液量センサーって何?

その排液量センサーは、イチゴの高設栽培での排液量を計測しようというものです。
イチゴの高設栽培では、効率的な施肥と適切なかん水で生育を安定させることや、肥料の圃場外への流出による環境負荷を軽減させるために排液量を把握することが求められています。一般的な高設栽培での排液量は、気象条件や生育状況、季節、時刻に応じて不連続に変化します。(1秒間に1回の頻度で水滴が落下する程度のゆっくりとした流量から1分間に数Lの流量まで変化します。)このため、従来の流量計では正確に計ることが出来ません。
そのため、正確な排液量を測定するために作られたのが排液量センサーです。
他にも、排液のEC値の計測も必要と言われています。

これが、今年の初め頃に事務所に送られて来ました。
DSC_0209
大分県産業科学技術センターと大分県農林水産研究指導センターが独自に開発した試作機です。

如何にも実証実験っぽいですね。
この写真にはありませんが、この箱に付随する回路があります。
その回路からシリアル通信で排液量のデータを受け取る仕組みになっています。

どうやって接続しようか。。。

シリアル通信を行うアダプタを付ければ、直接ログBOXで読み取る事もできますが、ログBOXには標準で、温度・湿度・CO2濃度のセンサーを搭載していて、直接繋いでしまうと、それを計りたい場所が制約されることになります。
よって、ログBOX側にWifiアンテナを装着して、Wifiアクセスポイントとして動作させ、排液量センサーは別の装置で読み取ってWifiで送り込むこととしました。
幸いなことに、排液量センサーは電源供給経路としてそのシリアル通信を行う線からも可能な造りになっていますので、排液量センサーの設置場所で電源を確保する必要はありません。(ちゃーーーんと考えてあります。見習わないと)

logbox-ooita

な感じです。
ログBOXにデータを送ることができれば、あとはあぐりログのクラウドサーバにはログBOXが送り込んでくれます。
という事で、これで、
haieki
モニタリングできる状態になりました。

実際の圃場で評価しよう

繋がりましたから。。。
実際の圃場での評価を行う必要があります。
実はつながりの中に愛知県の農業総合試験場さんがあり、ちょうど園芸部さんでイチゴの高設栽培を行っている圃場があります。
# あぐりログも農総試さんとの共同研究成果です。(^_^)/
早速、お願いしてみましたら、、、快諾を得ることができました。

で、まずは実証開始です。

DSC_0252

今後は、この排液のECと給液のECも合わせて計測していけるように準備していこうと予定しています。