養液栽培における給排液の計測

28年度のものづくり補助金で排液量センサーなるものを開発しています。
(これは、大分県産業科学技術センターにて開発されたパテントを利用します。)

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少しずつ形になってきています。(^_^)/
筐体を金属板の曲げ加工と一部溶接で一体化し、そこに水はねを受けるプラボックスと共に転倒升を組み込んだ形です。
試作機は、L字アングルで骨組みを形作っていたので、組立工程が恐ろしく面倒で、とても量産化を指向したものではありませんでした。
そういう点では、目的に乗っかってきてるなぁと。。

これで、排液量と排液のEC値(肥料濃度)を計測してあぐりログで蓄積できます。
なところで。。

・・・あれ、排液だけど良いのか?

という疑問が、そもそも排液の量や水質を計測するのは、給排液の差が大事なんだからであって、排液だけ計っても片手落ち・・
じゃぁ、給液はどのように行われているのか。。
基本的な仕組みは、液肥タンクに所定濃度の液肥をためて、そこからタイマーや水分センサーを利用してポンプを稼働し一定時間流す形になろうかと思います。。なので、給液を管理する装置から如何にしてデータを採取できれば良いということになります。

UECSで採れる装置があるらしい。。

突然、UECSって単語が登場しました。
これは、Ubiquitous Environment Control System の頭文字をとったもので、施設園芸での施設内機器の標準的になることを目指して開発された通信規格です。

この規格は簡単にいうと、施設内の機器が、それぞれ独立的に稼働し、自分が計測する値は他の機器に渡すために共通データ基盤上に流し、自分が機器制御を行うために必要な環境情報は、共通データ基盤上から受け取るというものです。
未だ未だこの通信規格をサポートしている機器は少ないのですが、利用者から見れば、特定の事業者に全装置を頼る事無く、施設内システムを組める可能性があることでメリットはあるのかなと思います。
ただし、サポートする事が当たり前になるには、未だ時間がかかりそうです。

とりあえず、給液装置としてUECSをサポートしている機器を使っている場合は、この機器が配信しているUECS仕様のデータを受け取れば給液に関わる情報を得ることができます。

個別に機器からデータを採るのか。。

上記のUECSサポートは、これに対応している機器をサポートできることになるので、良いことですが。。
これをサポートしていない給液装置はどうするの?

個々の機器ごとに何かしらの通信を行って採取するというのが、真っ当な手段かもしれませんが、通信をそもそもサポートしていない機器もありますし、個別に物理的インタフェースも異なっていれば、余計な費用もかかってしまいます。

給液用のパイプを流れる液肥を計測できれば。。
ということで、排液量センサーの開発と並行して、UECSでの給液情報採取と、給液パイプからの給液情報採取に取り組んでいます。