ICTを活用した次世代型農業として注目される農業、スマート農業。情報通信技術をはじめとしたテクノロジーを利用したこのような農業は、「スマートアグリカルチャー(Smart Agriculture)」「スマートアグリ(Smart Agri)」「アグテック(Agtech)」「農業IoT」「ICT農業」などとも呼ばれます。
人間が自らの手と頭を使わずともAIが判断を下し、IoT機器が自動で作動して環境制御、そしてロボットがせっせと働き農作業が進んでいく…。今のペースでテクノロジーの進化が進んでいけば、これらは確実にやってくる未来であり、そしてそれらを実現する機器の開発・展開が盛り上がりを見せています。
実際、スマート農業国内市場規模は2016年に104億2,000万円を記録し、5年後の2023年に約3倍の333億3,900万円にまで成長することが予測されています。(1)
成長著しい同分野ですが、技術だけが発展していってもそれが生産の現場や法人・企業といった場で実際に人々に利用されなければ意味がありません。しかし各機器・デバイスの開発が盛り上がりを見せているだけに、どの分野にどのような機器があり、そしてどれをどのように活用していったら良いのか、よほど業界に精通していない限り分からない・状況を追えないのが現状でしょう。
よく分からないもの・理解し難いものを知るには、実際に目で見て耳で聞いて見て手で触って見て体験するのが一番。そこでこの記事では、最新のICT・スマート農業を知ることのできる、農業系イベントを紹介したいと思います。
展示会では、各企業・組織が機器やデバイスを展示し、参加者はそれを見学したり実際に体験することができます。弊社としても「あぐりログ」のPRや展示、そして情報交換や交流のためこれまで様々な農業系イベントに参加してきました。それらのレポートもこのブログに過去掲載されているので、そちらの記事も合わせてご紹介しようかと思います。
GPEC
GPECは2年に1度夏季に東京で開催される、施設園芸・植物工場に特化した日本で唯一の専門展示会です。施設園芸・植物工場に特化した展示会ということで、弊社あぐりログチームも今年開催のGPEC2018、一昨年開催のGPEC2016に参加させて頂きました。
今年(GPEC2018)のあぐりログブースの様子
このGPECは開催地が東京、また3日間の開催ということで沢山の方が来場されます(今年は合計で約4万人の来場だったそうです)。今年は2年前と比べて農業IoTに関わる企業も増えたという印象でした。また弊社あぐりログブースにはこのブログや、名刺交換をさせて頂いた方に配信しているニュースレターを見たということで訪れて頂いた方もいらっしゃいました。
各企業のブースだけでなく、大規模なセミナーやプレゼンテーションも行われるので、最新の農業を知るにはうってつけのイベントです。
関連記事:GPECに出展した事で得られた気づき
関連記事:GPEC 2016 に参加してみて
イベント公式サイト(2018年開催のもの):GPEC2018
IoT&H/W BIZ DAY by ASCII STARTUP
IoT&H/W BIZ DAYは年に2回春と夏に開催される、ハードウェアビジネス関係者が一堂に会する場として、またビジネスマッチング・ネットワーキングの場としてのイベントとなります。このイベントは農業に特化したものでは無いのですが、参加してみて農業に関わる方々と多く交流できたのでご紹介します。
今年(IoT/HW BIZ DAY5)のあぐりログブースの様子
弊社としてこのイベントは普段農業に特化したイベントに出展するのが多い中で、他分野の技術を目の当たりにしたり、他業種の方と交流することが出来たのが良かったと考えています。また、ASCII様のメディアにあぐりログを取り上げて頂きました。
関連:およそ10万円で農業をIoT化する「あぐりログ」を見た
※現在あぐりログハードウェアはオープン価格で提供させて頂いております。
次世代型こうち新施設園芸技術フェア
東京で開催される展示会を二つ紹介したので、ここで四国高知県の展示会も紹介します。この展示会は収量増加を目指す生産者様を応援するという主旨で開催される展示会です。最新の施設園芸に関する講演のほか、環境制御装置などのメーカ―等がブースを設置し製品の展示・実演・説明が行われます。
今年開催の次世代型こうち新施設園芸技術フェア あぐりログブースの様子
(今年は台風の影響であいにくの雨続きだったのですが…)弊社としては園芸が盛んな高知県ということもあり、今後もあぐりログをこのような展示会等でアピールしていきたいと考えています。
イベント公式サイト(今年のもの):http://www.nogyo.tosa.pref.kochi.lg.jp/info/dtl.php?ID=7957
いわてスマート農業祭
農業の担い手の減少・高齢化・労働力不足のため作業の省力化・負担軽減・人手の確保を目指し、近年スマート農業に取り組まれている岩手県で開催される展示会です。昨年はいわてスマート農業祭という名前でしたが、今年はパワーアップして「いわてスマート農業祭NEO」という名前に変わりました。
いわてスマート農業祭は、岩手県が運営しているスマート農業の実演展示会です。昨年も同時期に開催され、60社ほどの企業・機関と2万人の来場者がありました。今年開催の「いわてスマート農業祭NEO」は「NEO」ということで、スマート林業分野や金融機関等にも出店範囲を拡大し、農業関係者様への参加誘導も強化されていました。
今年(いわてスマート農業祭NEO)のあぐりログブースの様子
北海道を含めて最大規模の展示会を目指しているとのことで、今後更に規模が大きくなっていくことが予想されます。また岩手県ということで来場者の方には米作りをされている農家さんが多かったという印象です。
関連記事(外部リンク):https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201808/20180827_33031.html
お勧めの展示会イベント まとめ
紹介した以上のイベントの中で、やはり規模が最も大きいものはGPECですね。弊社としても一番メインのイベントであると捉えています。次回開催は再来年の2020年ですが、そこでは更にパワーアップしたあぐりログを紹介できるよう取り組んで参ります。
参考
(1)スマート農業に関する調査を実施(2017年)~農業データ連携基盤が2017年度に始動し、スマート農業に関するデータ共有化が進展~ https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/1756 (20181031閲覧)