いわてスマート農業推進研究会合同分科会に参加してきました

こんにちは、mi2yo4です。

3/26に岩手県農業技術センターで行われた「いわてスマート農業推進研究会第1回合同分科会」に参加してきました!
ので、今日はその様子をレポート、感想を書いてみたいと思います。

ちなみに岩手県農業技術センターは国道4号沿いでしたので、次回からは車・バイクで来ても迷う事が無さそうです^^)

いわてスマート農業推進研究会とは

岩手県による、ICT(情報通信技術)を活用して農作業の省力化や効率化を図るため、産学官連携による研究会という事で東北地方では初の試みだそうです。
私たちも昨年のいわてスマート農業祭に出展するにあたり本研究会の趣旨を知りまして、参加を申し込んでいました。

3/26は延べ150名弱のエントリでした。約半分は岩手県の機関の方ですので、岩手県の熱の入りようが伺えますね!

スマート農業、といってもジャンルは様々に分かれており、各々のトピックはそれに相応しい分科会で話し合いましょうという事のようです。今挙げられている分科会は下記の通りです。

  • 作物分科会、GNSS分科会
  • 園芸分科会
  • 畜産分科会
  • クラウド分科会
  • ドローン分科会
  • アシストスーツ分科会
  • IT企業と農業分科会

もちろん、ICTはどの分科会でも含まれる話題になりますので、分科会をオーバーラップしてくる状況が色々と出てきますね。

私たちが関係しそうなのは「園芸分科会」「クラウド分科会」「IT企業と農業分科会」となりそうです。
ただ本日は私(mi2yo4)の身は一つしかない事から、考えた末に園芸分科会に参加してみました。

岩手県の施設園芸

園芸分科会では、やはり施設園芸の話題が主題になります。
総じて岩手県でも本格的な環境制御を行っている所はかなり少なく、これから環境モニタリングを始めてみよう、という所でしたね。

岩手県の施設園芸の現状

トマト、ミニトマト、一部キュウリでの環境モニタリングが行われているようです。
(ただ数は少ない)
おんどとりが主で、制御までするのであればUECS、数か所でプロファインダーと言うところ。

10年前からICTと農業を組み合わせて色々と行っていましたが、中々結果に結びつかない、昨今低コストのセンサー等が増えた、通信コストが下がったという事でまた色々と出来るのではないか、という期待があるようです。

強制通風筒のコスト

農研機構さんなどで強制通風筒の製作紹介を行っていたかと思いますが、実際の製作コストとしては5000円~20000円ぐらいかかる、との事です。
これは材料費のみで、実際には人件費が隠れたコストになります。結構いい値段になりそうです。

ここで強制通風筒についてちょっと説明します。

(なるべく)正確に計測する、という事が実際の圃場で温度を計測する際に必要となります。

農研機構さんだと以下のような記事等で製作をすすめていますね。
http://www.naro.affrc.go.jp/archive/niaes/magazine/136/mgzn13604.html

例えばそのまま温度センサをぶら下げるやり方だと、日射他の影響もあって、正しく計測する事は困難となります。
その点、あぐりログであれば強制通風式なので、温度も日射等の影響を受けにくく計測できます。
(とちょっと宣伝でした)

生産者がかけられる年間コストは…

話題の中で、施設園芸で年間にかけられる、かけても良いという予算について話がありました。
以前に県独自、確か第一回いわてスマート農業祭にてアンケートを取っていたらしく、その中で年間に生産者さんがICT予算にかけられる金額、というものを聞いていたという事でその数字を公表されていました。

その額は…

3000~5000円/年

この金額は…私たちにとって、かなり厳しいものです。
月額に直すと250~420円弱となります。

これは巷の格安SIMより低廉な価格となりますので、かなり難しい課題ですね。
話題の中ではLoRaWANとかSigfoxという選択肢でコスト削減、という意見もありましたが、個人的にはイニシャルコストとランニングコストを考えても現時点では魅力的とも思えません。
クラウドなどを使わない、ネットワーク無しの運用でないと出来なさそうです。

その場では「厳しい~」と思っていただけですが、後から環境モニタリングとクラウドを利用する事によるメリット、というものがまだ生産者さんに伝わっていない可能性が高いかな、と思えるようになりました。

私たちがサービスを開始した当初は「圃場の様子が心配だ」という声に応えて「圃場の見回り」の代替ツールとしてあぐりログを開発した、という事もあります。
まずはその圃場見回りの隠れたコストを明らかにする事で、「あれ、本当は割安じゃね?」という形にしたいですね。

また、どういった改善がしたいのかや、かけられるコストによっても提案は異なってきます。
収量を上げたいのであれば、環境モニタリングは必須となります。コストがかけられないのであれば、現状を維持していくしかありません。

弊社からは、機能的にどこまで必須でどこまでは妥協するか、岩手県農業者のモデルを描いておくとそれをベースに皆さんの話が進めやすいのでは?という事を話してきました!

その他

今回は合同分科会だったのでどれか一つの参加になってしまうのですが、次回以降は会合時期も合う訳ではないので他の分科会にも参加できそうです。

一つ気になっているのが、こういった分科会とかいわゆるコミュニティみたいなものだと思うのですが、そうなると取りまとめる人(ホスト)の能力が結構必要なのでは?という事です。
議論をまとめたり、何か他の意見を求めたり…
そういった事を岩手県さんとしてどこまでコミットしていくのかが、ちょっと見えなかった感じがしました。
まあ、これも改善されると良いのですが。

あと岩手県でも制御、という事になるとUECSの研究が進んでいるようです。
ただ、それを販売する岩手県のベンダーが居るのかどうか不明でしたね…
センター内にあったパンフを見る限りではそう感じました。

とまあ、感じたことをつらつらと書き連ねていきました。

次回がいつになるか分かりませんが、しばらくはこの分科会のメーリングリストを注視してみようかと思います。

それではまた!