ロックウール培地でのEC計測

一昨日、農業試験場で色々と作業していました。
一つは、設置していたあぐりログの初期バージョンで利用していたおんどとりのCO2計測値がおかしいというものでしたが、これは電源ケーブルの接続が緩んでいたことが原因でした。ちゃんと差し直してデータを取得できることを確認して、一安心です。
ただ、センサーの自動校正が効いているせいで、ずいぶんと計測値が高めにでてしまっていました。
これは、また別途レポートしようと思います。

もう一つは、ロックウール培地でのEC計測の実地試験です。
ロックウールは、人造鉱物繊維で、養液栽培に適するようにpHの調整が行われたものです。
これにトマトなどを植えて栽培する訳ですが、この培地に給液した液肥の状態をモニタリングする手段として、EC値を計測するというものがあります。
一般的には、こんなECメータで計測するのですが、これでは,計測した時点のものしか判らないですし、データとして残して行くには人手が必要です。

また、差し込めるタイプでないとロックウールの培地内の状態を計測できそうもありません。
そこで、差し込むタイプのWD-3というセンサーをログBOXに接続して計測してみることにしました。

DSC_0617

また、計測値がロックウールという培地上でどんな風に変化するのかも合わせて試してみました。
方法は、以下の通りです。

  • 幾つか濃度の異なる試液を作成。
  • ECメータで測定して、それを基準値とする。
  • その試液にWD-3センサーを浸して計測。
  • ロックウールのブロックを試液に浸してそれにWD-3を挿して計測。

計測中の作業状況は、以下の通りです。
DSC_0615

そして、この計測結果が、
WD-3-EC
になります。

ECメータの計測値とWD-3を試液に浸して得られた計測値の差は、誤差として見ると、ロックウールでの計測結果は明らかに小さな値になっています。
これは、ロックウールが繊維状のもので、液体はその繊維に沿って移動していく事で、センサーとの接触面積が小さくなる為かと推測しています。

ただし、センサーの挿し方により計測値が小さく出てしまう事もありました。
ロックウールは繊維の塊で、試験をしたのが小さなブロックであった事で、挿しやすい繊維に沿った方向で行った事が原因しているかもしてません。
この辺りは、もう少しセンサーの利用方法について検証してく必要があると思います。